2000年 アザラシ研究
ウェッデルアザラシから得られた加速度データは、ペンギンと比較すると非常に興味深いものでした。過去に得られた知見より、アザラシは空気を吐き出してから潜り始めると言われています。加速度データによると、ウェッデルアザラシは、潜り始めは鰭を左右に振って推進力を得ていますが、深度80m程の時点でストロークを停止し、そのまま深度400mの所まで“落ちて”いったのです。
浮上の際は、ずっとこぎ続け、水面まで「登って」いきます。ところが、このやり方をとっていたのは、痩せた個体のみ。太って皮下脂肪をたくさん蓄えた個体は、トータルの体の比重が水より重くはならない模様で、潜っていくときも、浮上していくときも、ストローク&グライド泳法を採用していました。アザラシは、各々の肥満度に応じて泳法を使い分けているということがわかりました。