マンボウの採餌生態に関する論文がJournal of Animal Ecologyに受理されました。
早速第一著者のドクトルマンボウ中村乙水さんのもとにはBBCからの取材があり、以下のサイトで紹介されました。
http://www.bbc.com/earth/story/20150209-giant-sunfish-reveals-secrets
論文のタイトルはOcean sunfish rewarm at the surface after deep excursions to forage for siphonophores.
受理された論文原稿は以下のアドレスで公開されています。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1365-2656.12346/abstract
大気海洋研究所のホームページでも内容が紹介されています
http://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/topics/2015/20150218.html
画像情報でマンボウが深度数百メートルでクダクラゲを食べる事を証明し、体温を実測することによってマンボウが体温調節目的で水面付近にいるということを示しました。
海の中には謎が多く残されていますが、深度数千メートルの深海底については、実は潜水艦によって結構観察されています。熱水噴出口周りに硫化物に依存した奇妙な生態系が存在することや、鯨骨に群がる底生動物などがその具体例です。しかし、水面から海底に到る間は、深度が数百メートルであっても宇宙と同じくらい分かっていないのです。本研究によって、深度数百メートルにクダクラゲが濃密に分布し、マンボウがそれに大きく依存しているということが明らかになりましたが、従来のやり方では、この発見は難しかった。なぜなら、船上から魚群探知機を使ってもクラゲは映らないし、具体的に何かを観察したいという理由が無い限り、コストと労力をかけて潜水艦を使って観察しようなどと誰も思わないからです。今回の発見は、捕食者であるマンボウにカメラや記録計を取り付けるというバイオロギング手法ならではのものです。